OSAMU GOODS STORY

Vol.33

MAKING OF OSAMU GOODS

OSAMU’S MOTHER GOOSE 2

前回に続いて、絵本 OSAMU'S MOTHER GOOSEの話です。
まず最初にキャラクターをつくるためには、絵本の出版が必要だったわけですね。
しかしいざ絵本を描くとなると、肝心なテキスト(文章)をどうするか考えなくてはなりません。ぼくには自分 で一から物語を書くことはとうてい無理だなと(簡単に)諦めて、そこで思いついたお話が、古い英国のマザーグース童謡集なのでした。

それには、マザーグースのなかでも人気者ハンプティ・ダンプティの卵キャラクターを、ぼくが昔から好きだったということもありました。他にも動物や子供達いろいろなキャラクターを自由に選べることもできるのです。
というのも、テキストとしては伝承の童謡集ですから、すべて読み人知らずの作者不明、つまり文章の著作権がまったく無いテキストだからです。
すでに誰でも知っているということでは、桃太郎さんや赤頭巾ちゃんと同じようなキャラクターなわけで、自由に誰が絵に描いても問題はありません。ただし人の描いた絵のそっくり真似は、絵のほうの盗作になります。念のため。

というわけで、これならお話をゼロから創作する必要も無いし、ある程度は日本でも知られているから、すぐ親しみを持ってもらえるだろう(ちょっとズルイな)という期待感もあったのですね。
そしてできあがった絵本が「オサムズ・マザーグース」なのでした。この絵本をもとにキャラクター商品 「オサムグッズ」が誕生することになります。

翻訳は美術学校で同級生だった詩人の酒井チエさんにお願いしました。ぼくは、まず最初にハンプティ・ダンプティの絵から描き始めることにしたのですが、この話の続きはまた次回にね。

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