盛岡市民文化ホールにて開催中の『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』初日をレポート!

盛岡市民文化ホールにて『原田治 展「かわいい」の発見Osamu Harada: Finding “KAWAII”』が12月21日(土)より開催中です。東北地方では初開催とあって、初日は秋田や仙台からOSAMUGOODSファンが押し寄せました。展示作品を熱心に鑑賞した後は特設ミュージアムショップでお気に入りグッズを購入し、心ゆくまで本展を満喫した様子でした。
『原田治 展』開催にあたり、岩手日報社事業部の及川さんにお話を伺いました。
「3〜4年くらい前に他の新聞社から原田治展を開催した話を聞く機会がありました。私は子どものころからOSAMUGOODSが好きで集めていて、大学時代ではミスタードーナツでアルバイトをしていました。
その後展覧会に携わる仕事についたことから、岩手でも開催したい!と2021年から上司に提案をしていました。そして様々なタイミングが重なって念願がやっと叶い、この度東北初開催となりました。
これだけ揃っているOSAMUGOODSにはなかなか出会えないですし、好きな人たちに届いたらいいなと思って準備してきました。昔からOSAMUGOODSファンの方はもちろん、知らなかった方にも原田治さんのストーリーや制作背景が広くて深いと知ってもらえる展覧会です。
盛岡には市内のメイン通りにミスタードーナツがあって、その店舗が数年前に閉店してまった時の話なのですが、繁華街の真ん中にあるため“ミスド前集合ね!”と言ったらその場所を指す、街のランドマークでした。閉店を知った地域の方たちが “復活してほしい!”と署名運動やメッセージボートを作ったことから、その声が運営会社に届いて復活した経緯があります。
そういう地域の方たちの想いを知っていたので、ミスドが好きだった人はOSAMUGOODSファンも多いと思いますし、本展を楽しんでもらえると確信しています。
また展覧会の準備をしていて感じたのは “誰も嫌な気持ちにならない展示作品”だなということです。見終わった後はほっこりした気持ちで帰っていただけると思います。日々頑張っている皆さまが、心温まる機会になればと願っています。」

Introduction
1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMUGOODS(オサムグッズ)」の生みの親、原田治(1946–2016)。
50〜60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けたイラストレーション―とりわけ、簡潔な描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターたちは、その後の日本の“かわいい”文化に多大な影響を与えました。
没後初の全国巡回展となる本展では、イラストレーターとして活動するきっかけとなった、1970年代「an・an」の仕事をはじめとして、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期~20代前半の初期資料や、エッセイ集『ぼくの美術帖』関連資料も交えて展示し、時代を超えて愛される、原田治の全貌に迫ります。
展覧会が始まります

高い位置に置かれたドックのネオンサインが目を引く今回の展示。会場となった盛岡市民文化ホールの見どころを、設計を担当した五十嵐瑠衣さんに伺いました。
「まず入口と出口に設置したジルとジャックのネオンサインが、展示ホール入口から並んで見えるようにしました。お馴染みのキャラクターがお出迎えしてくれることで、展覧会への期待感を高める仕掛けです。
今回、一番の見どころはドックのネオンサインが見える通路です。高い位置にあるドックのネオンサインを目印にしながら各展示コーナーを見ていくという、今までにない作りになっています。
ネオンサインはフォトスポットなので、並んで写真を撮ることを想定して低めの位置に設置してきたのですが、お客様がたくさんいると結局見えなくなってしまうんですね。隠れずに見せたいと思い、今回は高い位置に取り付けました。
迷った時でもネオンサインが目印になりますし、進行方向を示すサイン本来役割を果たしてくれます。 “ドックのネオンサイン通り”の左側は、同じ形状のコーナーの繰り返しになるので、進行方向にサインがあることでどちらに向かうのかが分かりやすくなります。
盛岡市民文化ホールは広い長方形で、設計の自由度の高い会場でした。ただ、可動壁(天井に繋がる茶色の壁)を入れられる場所は限られていたので、逆にそれを利用して会場のベースとなる形を作りました。
小さなスペースを繋げて迷路のような空間にしたかったこと、天井部分を塞いで仕切られた空間を作りたかったので、可動壁の位置に沿って造作壁(白い壁)を入れ、展示コーナーを作りました。こうして会場を形成していった結果、ドックのネオンサインが見える通路ができました。
特に前半の展示コーナーは、通路幅を狭くしているので壁が高く感じられ、180度ぐるっと回っても展示コーナーが目に入るので、一瞬何処にいるかが分からない、迷路にいるような感覚があるかもしれません。
ぐるぐる回って迷ったかなと思ったら、ドックのネオンサインがある大通りに辿り着いた、というイメージで設計しています。
またBIGIの赤いシャツ(ロイ・ロジャース)が展示されたコーナーのように、壁3面で作られた小部屋的空間が多いのも今回の特徴です。壁に経師(きょうじ※専用の紙の裏に糊をつけて、装飾する技法で展示会などに使用される)を貼ったことで、部屋にいるような落ち着いた柔らかい雰囲気を作りました。
ある位置に立つと、壁やブースがレイヤー状になって奥まで見えて、奥行き感が生まれる視覚効果もあります。全編通して飽きずに見られるよう設計していますので本展を最後までお楽しみいただけると思います。」
来場者が語る「原田治展」の魅力
来場者に聞いた復刻して欲しいグッズ
来場者に「かわいいの発見」コーナーで “復刻して欲しいグッズ”を聞いてみました。OSAMUGOODSブームだった80〜90年代の人気アイテムは文房具でしたが、現在ではファッションアイテムやインテリアグッズが人気傾向に。いつか復刻されることを期待して!?人気ランキングを発表!
1位:男女ともにダントツ人気だったのはジルモチーフが背面にデザインされた、ざっくり感のある厚手ニット。
2位:ブランチするジャックとジル、「STAFF」とプリントされたエプロンはシンプルさと清潔感が好評。
3位:キャラクター12種全員集合した、ミッドセンチュリーなデザインの時計。赤い振り子がかわいい。
番外編:河童が描かれた花王石鹸の暖簾。スポンサーネーム入りの暖簾をお風呂場に飾りたい人続出。
特設ミュージアムショップ
展覧会鑑賞後はミュージアムショップへGO!新作グッズほか、DUSTY MILLERの復刻グッズやコラボアイテムなど多数取り揃えています。オンラインショップで一部取り扱もあります。買い逃した方はこちらをチェックしてみて。
ワークショップ
消しゴムはんこづくりにチャレンジ!
関連イベントとして、消しゴムはんこをつくるワークショップを館内で開催しました。盛岡在住の消しゴムはんこ作家・はたけだまさこさんを講師にお迎えし、OSAMU GOODSのメインキャラクターであるJACKやJILLの図柄を消しゴムに彫ってはんこを作りました。
コラボカフェ
ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングとコラボーレーション!OSAMU GOODS期間限定メニューが登場しています。期間は12/21 (土)から2/9(日)まで。
◆ケーキとドリンクのセットオーダーで50円引き、企画展チケットご提示の場合は100円引き。
◆コラボメニューのレシートを盛岡市民文化ホールで開催中の企画展受付でご提示いただくと、当日券を前売り料金でご購入いただけます。

ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイング
場所…1階 ティーラウンジクローバー
営業時間…10:00~17:00 ※アフタヌーンティーご提供時間 13:00~15:00(最終入店)
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JACK のマロンケーキ
イートイン…700円 テイクアウト…609円ラムがほんのり香るマロンババロアに、クレームダマンドを合わせました。コーディングされたコーヒーチョコレートとマロンがどこか懐かしさを感じる味わいです。
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JILLのホットミルク…650円
JILLのココア…800円
JILLのカプチーノ…850円【限定特典】
ケーキ、ドリンクをセットオーダーのご注文のお客様に、お1人様1つ「OSAMU GOODS」ノベルティをプレゼント!※数量限定。無くなり次第終了となります。
※料金には消費税・サービス料が含まれております。
※写真はイメージです
盛岡市民文化ホール 展示ホール
〒020-0045岩手県盛岡市盛岡駅西通2-9-1マリオス4F
【交通アクセス】
● 盛岡駅より東西自由通路(さんさこみち)経由 徒歩3分
●バス:盛岡駅前下車、東西自由通路(さんさこみち)経由徒歩3分/盛岡駅西口下車徒歩1分
●東北自動車道・盛岡インターチェンジより車で約10分
●花巻空港から特急バスで40分
TEL:019-621-5100